INFOTEC SERVICE

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Salesforceによる工事管理システムの導入事例

総合不動産管理会社
事務システム部
関口様 北野様 大塲様 金森様

上流から導入・運用までを全てインフォテック・サービス社に依頼し、大きな成果。

事業内容

不動産管理をメインとしつつ様々なサービスを手掛ける。

貴社の事業内容は?

大手金融会社グループの会社として、不動産管理をメインに様々なサービスを手掛けています。業務領域も、コンサルティングからマネジメントまで、多岐にわたっています。

システム概要

工事・施工を、外部の協力会社へ依頼・発注するシステム。

システムの概要は?

当社の手掛ける重要なサービスの一つに、小口の営繕工事を請け負うというものがあります。実際の工事・施工は外部の協力会社が行うのですが、 これまでは、電話・FAX・メールで依頼・発注していました。しかし、近年業務量が増加。協力会社約200社となり、当社と協力会社をつなぐ発注システムの構築が急務となりました。

導入理由

セキュアながら低コスト、導入までも早い。グループ会社での導入実績もあった。

Salesforceを選んだ理由は?

構築するのは、社内システムと、環境もエンドユーザーも様々な協力会社のシステムを結ぶものです。セキュアかつインフラに左右されないこと、サーバー、ネットワークなどを新規に導入・構築する手間がないことが求められます。 こうした点を踏まえ、また、コスト・開発期間の面も考慮し、クラウドが適当だと判断。その中でも、業務実態に最も適したシステムが、Salesforceでした。

Salesforceは、社外と連携するシステムとしてグループ会社で導入実績があり、機能面・セキュリティ面で問題はないと考えました。以前から当社に常駐し、システム運用などを任せていたインフォテック・サービス(以下ITSV)が、 Salesforceの開発・運用実績が豊富だったことも、Salesforceを選んだ理由の一つです。

ベンダー選定理由

当社でのこれまでの実績や、Salesforceの他社での活用実績を評価。

開発ベンダーとして、ITSVを選んだ理由は?

ITSVとのお付き合いは2009年に遡ります。まず、インフラ運用をお願いしたのですが、品質も高く対応もスピーディーでした。2011年には、勘定系アプリケーションのマイグレーションにおけるコンサルティング、プロジェクトマネジメントを委託。 このときの品質も満足できるものでした。その後の常駐サポートを通じて、当社のインフラや業務への理解を深めていただき、日頃から様々な提案をしていただいていることもあって、本プロジェクトもお願いすることにしました。

プロジェクトの経緯

要件定義から運用までをITSVに依頼。

導入までの経緯は?

当社のシステム部門は10名以下。さらに、ビジネスフローを考える部門にもノウハウを持った社員が多くないため、本プロジェクトでは、要件定義などの上流工程からITSVにお願いすることにしました。
まずデモ版を作成していただきました。他社での構築事例がもとになったとはいえ、大枠の完成まで1ヵ月半というスピードでした。検討を経た後、3カ月程度で試行版を開発し、いくつかの部署で試験導入。 3カ月間ブラッシュアップ・検証を繰り返し、正式導入となりました。


①要件定義フェーズ

本プロジェクトのシステム化方針に、「標準機能のみで作る」というのがありました。エンドユーザーは数百社以上、システム環境もまちまちです。 ユーザーからの要望の一つひとつに応えてしまうと、システムが複雑化し、その後の保守開発費や運用コストの増加を招き、また、運用フェーズに支障をきたす懸念もあります。 さらに、システム導入時から、Salesforceが定期的に実施するバージョンアップへの効率的対応を考慮していたこともあり、Salesforceの標準機能のみで対応することを目指しました。

ただ、機能はなるべく充実させなくてはなりません。

こういった両立の難しい課題に対応するため、ITSVはSalesforce社と密に連携し、他社事例や機能を調査。その上で、実現化の方策や代案などをいくつも提案していただきました。 そのおかげで、標準機能のみで作るというシステム化方針をキープした中で、要件のほぼ100%を実現することができました。

開発は、いわゆるアジャイル方式を採用しました。画面作成~レビューを繰り返して、要件を固めていったので、とても分かりやすかったですね。要件が確定するまで1カ月半と、期間も大幅に短縮できました。


②導入・運用フェーズ

スキーム策定から、ユーザーID管理、定期バージョンアップ、さらには、協力会社向けのマニュアル作成や、時にはエンドユーザーを集めた導入講習会の講師まで―― 我々IT部門としては、システムの導入・運用全般を、ITSVにお任せすることでスムーズに進めることができ、とても助かりました。

導入効果

エンドユーザーの評価は高い。対応案件も増加。

導入効果は?

エンドユーザーの評価は高いですね。「電話・FAX・メールより格段にスムーズになった」「以前は、FAXの文面を一々考える必要もあったが、今はアップロードすればいいので楽」「言った言わないなどのトラブルも減った」などの声が届いています。

現在では、受注件数もシステム化前の2倍になりましたが、滞りなく、業務をこなすことが出来ています。ビジネス拡大に貢献していることは、間違いありません。

今後のビジョン

Salesforceの先進事例・活用ノウハウの紹介・共有を期待。

ITSVへの評価・今後期待することは?

今回も、プロジェクト全般において、スピーディーに対応していただきました。Salesforceに対する理解も深いですが、何より、弊社サイドに立って様々な提案をしていただいたことに感謝しています。 また、社内ユーザー向けの講習会等で丁寧に説明していただけたのも好印象でした。

システムを使い続ける限り、法改正への対応など何かしらイベントは生じると思います。これからも、長期にわたってサポートいただければ安心です。また、ITSVは、様々な業種の会社にSalesforceを提供していると思います。 ITSV社内に豊富に蓄積している先進事例・活用ノウハウなどを、広く共有していただくことも期待しています。

インフォテック・サービス株式会社 担当コンサルタントのコメント

①要件定義フェーズ

心掛けたのは、次の4点です。

  • エンドユーザー様からの要件とプロジェクトの主旨がかけ離れないよう、常に事業の狙いを肝に銘じ、事業目的を達成できるものにする。
  • システムは単なる道具であり、使った人の行動(運用)が伴って、初めてその価値を発揮する。システム要件を導き出すことに固執せず、お客様と一緒に「道具」を利用した新たな運用をつくる。
  • エンドユーザー様から提示される要件のほとんどは、Salesforce(旧Force.com)のプラットフォームで実現できるが、システムを維持管理していく情報システム部門様のご負担も考慮し、システムの構造は極力シンプルなものを目指す。
  • 開発はアジャイル方式を希望されていたが、要件が増加していく傾向があるので、打ち合せの際に都度計画表を提示するなどして、計画通りプロジェクトを進めることを意識。

ビジネスソリューション部
マネージャ 佐藤将弘

②導入・運用フェーズ

「情報システム部門様が維持管理できる」という点を考慮し、お客様にご相談しながら、非機能要件や運用スキームを確立していきました。

また、お客様にとっては初めてのSalesforce導入でしたので、Salesforce(旧Force.com)のプラットフォームの機能を正確にお伝えするとともに、他社の活用事例などもご説明。「Salesforceで何ができるか」「どう活用するのが最適か」などを知っていただくことに努めました。 特に、セキュリティは、対策を強化すればコスト増や利便性の悪化を伴うので、正確な情報のご提供に努めました。

定期バージョンアップでは、次の2点に配慮し、実施しました。

効率よく動作検証を行うために、利用している機能を考慮したスマートなテストシナリオを作成する。

リリースノートの中から、お客様にとってメリットのある機能改善内容を見定め、それを正確にお伝えする。

現在も、エンドユーザー様のアクセス状況や拠点ごとの登録状況などを定期的にご報告、お客様がシステムの利用状況やその変化をご確認できるよう努めています。 幸い、これまで、定期バージョンアップによって不具合が出たことは一度もありません。

また、本プロジェクトは、まず試行的に導入した上で本格導入を検討するというものでした。結果、正式導入いただくこととなり、現在では、対象業務(アプリケーション)も増えています。 上流工程からの支援をさせていただく中で、お客様の導入計画時の事業目的を満たせたゆえと考えています。

当社としても、営繕工事業務でのシステム導入検討~導入~運用業務代行といった全工程を担った経験は、大きな財産となりました。