- HOME
- プロジェクトストーリー
- インフラ領域
複数の課題を解決するためシステム刷新
プロジェクトのお客様は、法律事務所。案件情報や進捗を管理するために導入されていた基幹システムの全体的な刷新を行った。
お客様の端末は長く使用されていたために動作遅延が発生し、セキュリティ対策も時代に即した見直しを行う必要があった。
また、全ての基幹システムがオンプレミスの物理サーバー上で運用されており、災害時などにサーバーがダウンするとデータの復旧ができない可能性があった。
今回、サーバーやOSの保守・サポート期限が切れるタイミングに合わせて、課題を解決するためシステム全体の刷新を提案した。
導入システム
オンプレミス(AD、ファイルサーバ、SKYSEAなど)
クラウド(M365、Acornis、TrendMicro)
-
T.N.さん
シニアスペシャリスト|2010年入社
クラウド型サーバー、ネットワークシステム、オンプレミスシステムなど、インフラに関わる業務全般を幅広く担当。現在はプロジェクトの管理や監督といった業務を中心に行っている。
-
R.M.さん
インフラエンジニア|2020年入社
主にサーバーやシステムの運用保守、お客様からのお問い合わせ対応を担当。今回のプロジェクトではリーダーとしてお客様とのやりとりや全体の設計も担当し、現在も引き続き運用保守やお問い合わせ対応を中心に対応している。
01今回のプロジェクトではどのような立場で関わられましたか。

-
私はプロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャーとして、プロジェクト全体の進行を管理し、品質、納期、プロジェクト全体を見通した上で意思決定を行いました。
プロジェクトは、まずお客様の要望をしっかりと聞き出し、どのようなシステムにしていくかというコンサルテーションから始まりました。その後、お客様のご要望に沿った要件を定義してシステムを設計し、導入するという流れで進めました。
法律事務所で働かれている弁護士の方は外出や出張も多い一方で、スタッフの方は事務所内で作業されることがほとんどでした。両者の使い方を考慮し、どちらにとっても使いやすいシステムを構築するということを念頭においてプロジェクトに関わっていました。 -
私は今回、初めてプロジェクトリーダーとして参加しました。主にメンバーのスケジュール管理やタスクの分担、メンバーへの指示出し、お客様とのやり取りも基本的に私が担当しました。
お客様が困っていることや不便に感じていることに焦点を当ててヒアリングを行ったところ、お客様から様々なご要望があがり、優先順位を相談しながら全体のプロジェクト設計を行いました。
そこではお客様の要望を正確に理解し、それを技術的に実現可能な形に落とし込むスキルが求められました。時には厳しいスケジュール感でのご依頼もありますが、その場合には調整を行い、お客様の満足を得られるよう努めています。
02様々な課題を解決する必要があったと思いますが、どの点が一番苦労されましたか。

-
まずお客様が使用されている端末については、外部からリモートアクセスしやすい利点がある反面、スペックの拡張が困難なシステム構成となっていたため、どのように改善するか悩みました。
リプレース後の構成では、利便性の良かったリモートアクセスの仕組みは継続利用し、課題となっていたスペックの拡張にも対応できる構成を実現しました。セキュリティ対策では、一部のシステムをクラウドに移行し、自社で保有されている物理的なサーバーとハイブリッドな構成にすることで対応をしました。また、BCP対策(災害時や緊急事態に被害を最小限にとどめる対策)として、重要なデータはクラウドにバックアップを取るようにしました。
設計の段階で、オンプレミス(物理サーバー)とクラウドのハイブリッド構成をどのように実現するか悩みました。プロジェクト開始後に何度か方針変更があり、これまで対応してきた他の案件とも異なる構成になりそうだったため、本当に実現できるのか不安でした。 -
実際、メーカーが公開している手順通りにインフラ構築をしてもうまくいかないこともあります。お客様の環境に合わせた擬似環境を用意して、しっかりと検証することが重要ですね。
また、疑似環境でうまくいっても、本番環境特有の設定が必要になる場合もあるため、調査する力も求められます。 -
私はハイブリッド構成で構築を行った社内の過去事案を調べたり、クラウドに詳しい方に相談したりしながら進めました。
事前に検証できる環境が社内にあったので、その環境で実際に試しながら実現可能なことを確認して方針を決めていきました。
また、お客様へ提案をする際にはシステムの説明が必要になるのですが、ITに詳しくないお客様もいらっしゃいます。そのため、できるだけ専門用語を使わずに説明してお客様に理解していただくということに苦労しました。
資料の準備には時間をかけ、図などを用いてできるだけ分かりやすく伝えられるよう工夫しました。
03このプロジェクトを通して改めて感じた、インフラエンジニアの魅力や意義を教えてください。

-
今回のプロジェクトで、初めてコンサルティングから要件ヒアリング、設計、構築まで一貫して携わることができました。自分が設計した通りにシステムが稼働したときは本当に嬉しかったです。直接お客様の声を聞く機会は少ないのですが、自分が構築したシステムを使うことで、少しでも以前より便利になったと感じていただけたら、なお嬉しく感じます。
ITの分野は、新しいシステムや技術が次々と登場しています。そのため、現状に甘んじるのではなく、常に広い視野を持って仕事を進めていきたいと思っています。 -
インフラエンジニアは、いわば「ITの総合医」のような存在だと思います。オンプレミス、クラウド、ネットワーク、さらには今後AIなども視野に入れて、我々は幅広い知識と技術を高めていく必要があります。
これからはどの企業でもIT化が進んでいくと思いますので、そこに対応できる能力を持ったインフラエンジニアの需要は、ますます高まっていくのではないでしょうか。
また、IT技術だけでなく、お客様と直接やりとりをすることでコミュニケーション能力も高められるので、社会人としての総合的なスキルアップにつながる業種だと感じています。